産経抄

7月2日

 養子先の家業を大いに盛り上げ、49歳で隠居して江戸に出た。伊能忠敬(ただたか)が第二の人生で挑んだのは、日本地図の作製である。55歳から17年にわたって全国を測量行脚して、約440種類のいわゆる伊能図を残した。縮尺によって、大図、中図、小図に分けられる。

 ▼歩いた距離は4万キロにも及ぶ。まさに「四千万歩の男」である。伊能図が一般に出回るようになったのは、忠敬が亡くなって半世紀後の明治になってからだった。その正確さは外国人を驚かせた。