産経抄

7月15日

13日、ソウルに設けられた「朝鮮戦争の英雄」と呼ばれる元韓国軍人、故白善●(=火へんに華)氏の祭壇(共同)
13日、ソウルに設けられた「朝鮮戦争の英雄」と呼ばれる元韓国軍人、故白善●(=火へんに華)氏の祭壇(共同)

 1950年6月25日、北朝鮮の奇襲で朝鮮戦争は始まった。虚をつかれた韓国軍は、ひたすら敗走を続ける。ついには、釜山を要として南北120キロ、東西150キロの地域に立てこもった。いわゆる「釜山円陣」の崩れをかろうじて防いだのが、後に「白将軍」と呼ばれる白善●(ペク・ソニョプ)陸軍第1師団長である。

 ▼後退する部隊を押しとどめ、自ら突撃の先頭に立って陣地を奪い返し、米軍司令官を感動させた。もしこの時、北朝鮮軍が釜山を占領していたら、米軍の本格的な応援は間に合わなかった。韓国という国は、消滅していたかもしれない。その後、陸軍初の大将となり、退役後はフランス、カナダの大使などを歴任した白氏が10日、99歳の大往生を遂げた。