産経抄

7月26日

 作家の遠藤周作は、言葉に対する美的感覚の鋭い人だった。「ぶざま」「死にざま」という言葉は許しても、「生きざま」が大手を振ることに不快感を隠そうとしなかった。「そんな言葉は美しくないからだ」と。

 ▼全く同感-とうなずきつつ、居心地の悪さを覚えなくもない。新型コロナウイルスが暴れ回ったここ数カ月、「飛沫(ひまつ)感染」「濃厚接触」など文字を追うだけで目の毒になる言葉を書き散らしてきた。勇んで書いた「不要不急」の説教も、読後感がいいものではない。