産経抄

7月28日

 作家で医師の久坂部羊(くさかべ・よう)さんのエッセー『ブラック・ジャックは遠かった』(新潮文庫)は、大阪大学での医学生時代を描いている。ブラック・ジャックとはもちろん、異端の天才外科医を主人公とする、手塚治虫さんの傑作漫画だ。

 ▼久坂部さんは登場人物のなかで、ドクター・キリコが好きだった。高い報酬と引き換えに安楽死を請け負う「死に神の化身」である。クラス内で発行していたガリ版ミニコミ誌に「キリコ」のペンネームを使っていた。