産経抄

8月1日

 台湾の李登輝元総統は日本にとって、「日台関係の礎を築いた」(安倍晋三首相)特別な存在だった。それとともに、中国と国内親中派の普段は目立たない策動を可視化する探照灯の役割も果たしていた。李氏が退任後、来日しようとするたびに、彼らが慌てふためき大騒ぎするのである。

 ▼平成13年4月、心臓病治療目的で来日した際にもすったもんだがあった。当時の森喜朗首相が早くから李氏受け入れを決めていたにもかかわらず、外務省のチャイナスクール(中国語研修組)は日中関係悪化を恐れ来日阻止に動く。これに親中派の政治家が呼応し、巻き返しを図ったのだった。