産経抄

8月5日

 上皇さまが譲位の意向を示された際、参考にすべき先行例の一つとなったのが、スペイン王室である。2014年にフアン・カルロス1世が生前退位して、フェリペ6世が王位を継承した。とはいえ日本の皇室とは、まったく事情が違う。

 ▼カルロス1世は退位の2年前、元愛人の女性とアフリカに接待旅行に出かけ象狩りを楽しんだ事実が発覚する。欧州経済危機によって、国民が緊縮財政と増税に苦しむ最中である。怒りの声を和らげるには、人気の高い長男の皇太子に王位を譲るしか方法はなかった。