産経抄

8月10日

 著者の英文学者、外山滋比古(とやま・しげひこ)さんは、先月末に96歳で亡くなった。追悼の言葉とともに書店に平積みされていた『思考の整理学』(ちくま文庫)は、なんと累計250万部を突破している。

 ▼昭和58年に初版が出てから20年以上たって、売り上げが急に伸びた。きっかけは、盛岡市の書店員が店頭に掲げた手書きの推薦文である。「もっと若い時に読んでいれば…そう思わずにはいられませんでした」。