産経抄

8月23日

 経営コンサルタントの大前研一さんに、青年時代の思い出話がある。米国の名門、マサチューセッツ工科大学(MIT)への留学中という。教授の質問に答えが浮かばず、「図書館で調べてきます」と席を立った。すかさずチョークが飛んできた。

 ▼「ここは天下のMITだぞ。図書館に答えがあるような問題に取り組む場所じゃない!」。すごい剣幕だったと自著に書き留めている。本に答えを求めようとした自分が愚かだったとも。多くの起業家を育てることになる青年の未来を思えば、授業料を払ってもお釣りの返って来る講義だったろう。