産経抄

8月25日

北海道厚岸町の地方卸売市場で、競りの前に重量計にのせられるサンマ =24日
北海道厚岸町の地方卸売市場で、競りの前に重量計にのせられるサンマ =24日

 サンマ料理の極め付きは塩焼きである。<火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり>。作者の秋元不死男は、妻の下手な焼き方を嘆いているのではない。「くろぐろに焼けたサンマは、いかにもサンマらしく無骨だ…ぶっきら棒に食うところにサンマの味が加わる」。「秋刀魚」と題したエッセーに書いている。

 ▼「火だるまの秋刀魚」が大好物なのだ。昭和52年に75歳で亡くなった秋元にとって、サンマはまさに庶民の魚だった。豊漁だと1貫(3・75キロ)当たり10円まで下落したという。そんな秋元が昨今の高値を知ったら、どれほど驚くことか。