産経抄

8月29日

 急に雷が激しく鳴ることを霹靂(へきれき)といい、「青天の霹靂」とは、まったく予想外の出来事を意味する。政界は、今も昔もこの言葉が大好きだ。

 ▼昭和の昔、当時の田中角栄首相が金脈問題で辞任し、後任選びは混迷を極めた。調整役を務めた自民党長老の椎名悦三郎が、「神に祈る気持ち」で、弱小派閥の長ながら「クリーン」を売り物にしていた三木武夫を指名、彼が開口一番発した言葉がこれだった。