産経抄

9月4日

 戦後50年を形づくってきた「できごと」に焦点を当てる。かつて小紙に「戦後史開封」と題した大型連載があった。「できごと」には当然、昭和34年9月26日の伊勢湾台風も含まれる。

 ▼紀伊半島に上陸して本州を縦断、東海地方を中心に死者・行方不明者は5千人を超えた。日本の観測史上、最悪の風水害である。担当記者は特に被害の大きかった名古屋市で、被災者と関係者へのインタビューを重ねた。その中の一人が蟹江ぎんさんだった。