坊主(ぼうず)憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎いというが、朝日新聞はそんな心境なのだろう。菅義偉内閣発足の翌17日の社説は、「『安倍改造内閣』といってもおかしくない陣容だ」と決めつけ、こう記していた。「約8年ぶりの新しい首相の誕生だというのに、高揚感にはほど遠い」。
▼安倍晋三前首相が初めて自民党総裁選に勝利した翌日、平成18年9月21日の朝日社説の一文が思い浮かぶ。「新時代の政治が始まるという新鮮さがあまりわきあがってこない」。独断と偏見に基づく感想で、相手に烙印(らくいん)を押す修辞技法が共通している。