産経抄

9月22日

 秋の連休、遠くにも行けず、お彼岸の墓参りをしてから、司馬遼太郎氏のエッセー『余話として』(文春文庫)を読み返してみた。小説に書ききれなかったという歴史のこぼれ話が楽しい。収録されている「日本人の顔」では、「面長のひとには頑固なひとが多いことに気づいた」というくだりがある。

 ▼「創業者の信長は馬面で、秀吉は逆三角、家康はポチャポチャの丸顔」と言われれば、なるほどと思う。三島由紀夫、福田恆存(つねあり)ら“面長”の言論人を挙げ、「どこをどうたたいてもつねに明晰(めいせき)な論理を展開しうるのは、よほど鞏固(きょうこ)な思想と信念が内部にあるから-」と評している。