産経抄

9月28日

 名は体を表すとはよくいったもので、翔猿(とびざる)のしこ名が本名の岩崎のままだったら、秋場所の快進撃はなかったかもしれない。106年ぶりの新入幕優勝こそ逸したが、猿のような敏捷(びんしょう)な動きと、江戸っ子らしいきっぷの良い取り口で両横綱不在の大相撲を大いに盛り上げた。

 ▼しこ名に動物を入れる場合、虎や熊といった強い動物や龍や鳳(おおとり)など縁起の良い空想上の生き物にあやかることが多い。中には龍虎という両方からとった粋なお相撲さんもいたが、猿をつけた力士は皆無に近かった。先の大戦中に猿渡という力士がいたが、本名の可能性が高いという。