産経抄

10月5日

 分子生物学に革命を起こしたアイデアがひらめいたのは、ドライブデートの途中だった。1983年5月、米カリフォルニア州の山岳地帯はトチノキの花が強く香っていた。

 ▼「まったく突然、どうすればよいかがひらめいた」。バイオベンチャー企業の研究員だったキャリー・マリスさんは、自伝『マリス博士の奇想天外な人生』(ハヤカワ文庫)で振り返っている。