産経抄

10月13日

 南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンの首都バクーに、両目ばかりが強調された不気味なデザインの像が立っている。20世紀最高のスパイの一人といわれるリヒャルト・ゾルゲをたたえたものだ。

 ▼ゾルゲは1895年、ロシア帝政下のバクーで、油田技師だったドイツ人の父とロシア人の母との間に生まれた。一家は3年後にベルリンに移り住む。ロシア革命後、ソ連共産党の諜報部門にスカウトされたゾルゲは、ドイツ紙特派員の肩書で戦前の日本に入国、最高機密情報を入手してソ連に流した。