産経抄

11月12日

 参勤交代は江戸幕府が諸大名に課した義務の一つだった。原則として1年ごとに、江戸と国元を行き来させる。天保12(1841)年には、現在の愛知県豊橋市を治めていた三河吉田藩の若殿様が、初めてのお国入りを果たしている。

 ▼筆まめだった目付が残した記録は、大名行列にかかる多額の出費を少しでも抑えようとする藩士たちの奮闘を伝えている。それに待ったをかけるのが、息子の行列を少しでも豪華にしてやりたいという藩主の親心だった。