春の味覚であるハマグリが、このところ九十九里浜に打ち上げられている。大粒の二枚貝がごろごろした晩秋らしからぬ光景は、一説によると海水温の変化が原因だという。虫の知らせと受け止め、肌に粟(あわ)立つものを覚えた人は多いかもしれない。
▼漢字で「蛤」と書くハマグリには、その美味と裏腹に怪しい伝承がある。中国の古典『礼記』いわく、山鳥のキジが海に入って大きなハマグリに姿を変え、海の中で吐いた息が蜃気楼(しんきろう)を起こす。「蜃」は「おおはまぐり」とも読み、やはり字の中には「虫」がいる。
春の味覚であるハマグリが、このところ九十九里浜に打ち上げられている。大粒の二枚貝がごろごろした晩秋らしからぬ光景は、一説によると海水温の変化が原因だという。虫の知らせと受け止め、肌に粟(あわ)立つものを覚えた人は多いかもしれない。
▼漢字で「蛤」と書くハマグリには、その美味と裏腹に怪しい伝承がある。中国の古典『礼記』いわく、山鳥のキジが海に入って大きなハマグリに姿を変え、海の中で吐いた息が蜃気楼(しんきろう)を起こす。「蜃」は「おおはまぐり」とも読み、やはり字の中には「虫」がいる。