産経抄

1月8日

 1860(万延元)年5月、幕府が海外に送った初めての使節は、米ワシントンに滞在していた。一行にとって見るもの聞くものすべてが驚きである。

 ▼「魚河岸のようだ」。使節の副使を務めていた外国奉行の村垣範正は、連邦議会議事堂を訪れた際の印象を日記に残している。議事進行役の副大統領に対して、議員たちが身ぶり手ぶりも激しく大声でののしっている。議会制度をまったく理解していない村垣は、活気あふれる日本橋の魚市場を連想したようだ。