産経抄

1月11日

 同僚には学生時代に弁論部で活躍した猛者もいる。書くことと、大勢の前で話すこと、どちらが難しいか聞いてみた。答えはどちらも難しいが、難しさが異なるという。文章は読み返せるが、弁論は聞き返せない。端的に聴衆の心に響く「言葉」を盛り込めるかがカギだという。

 ▼9日の土曜、「土光杯全日本青年弁論大会」が行われた。行政改革を推進した土光敏夫氏の「若い人の声を聞きたい」のひと言から始まった大会は37回を数える。コロナ禍でオンライン形式で弁士が“登壇”したが、「私が考える日本強靱(きょうじん)化」をテーマに、若手論客の新鮮な「言葉」にあふれた。