産経抄

1月31日

 若者と中年を分けるものは、年齢ではないという。嘆くのが若者、ぼやくのが中年。そんな説を以前、耳にしたことがある。〈出勤が運動だったと気付く腹〉。句の作者は脂の乗った「ぼやき組」とお見受けする。

 ▼第一生命が募ったサラリーマン川柳から、最新の優秀作を拝借した。朝夕の満員電車に揺られる「痛勤」も、体には適度な負荷だったとみえる。コロナ禍で得た、自宅に居ながらにして働ける「新しい日常」と引き換えに、損なわれた体形をぼやく人も多いだろう。