産経抄

2月10日

 美術の歴史は偽作の歴史でもあるらしい。なかでも日本は「偽作天国」といわれてきた。「残念ながら偽物です」。骨董(こっとう)品の鑑定番組ではしばしば出品者が、鑑定士の無情な判定にがっくりと肩を落とす姿が見られる。なるほど合点がいく。

 ▼偽作が特に多いことで知られるのが、版画家の棟方志功だった。「日本のゴッホ」と呼ばれ、現在でも国内外で高い人気を誇る。「棟方志功・大贋作(がんさく)展」と銘打って、棟方作品の偽物ばかりを集めた展示会が開催されたことがあるほどだ。