産経抄

2月19日

 「火中の栗を拾う」という成句は実はフランス生まれである。猿が猫をおだてて、いろりの中の栗を拾わせ、猫が大やけどを負う。17世紀の詩人ラ・フォンテーヌの寓話(ぐうわ)から「他人の利益のために非常な危険をおかすことのたとえ」(日本国語大辞典)として使われる。

 ▼東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長就任要請を受諾した橋本聖子前五輪相は、まさに火中に飛び込んでいく心境であろう。女性蔑視ととられる発言で、森喜朗氏が会長辞任を表明して以来、後任選びは迷走を続けてきた。東京五輪のイメージは国内外で大きく傷ついた。そもそもコロナ禍によって開催が危ぶまれている。