産経抄

3月10日

 世界で一番高価な液体は、プリンターのインクだ、と聞いたことがある。かつてフランスの首相クレマンソーは「石油は血の一滴」という言葉を生んだ。第一次世界大戦中ドイツの猛攻のなか、米国大統領ウィルソンに電報で石油の重要性を訴え、支援を求めた。

 ▼もっとも今や、一滴たりとも無駄にできない液体といえば、新型コロナウイルスのワクチンにとどめを刺す。その貴重なワクチンをあやうく大量に廃棄するところだった。