産経抄

3月21日

 わが国では、球体を「たま」と呼び、神仏には饅頭(まんじゅう)や団子といった丸い物を供える。人の魂は球のような形をしていると、先祖が考えていたからではないか-。仏教学者で東北福祉大学長の千葉公慈さんが『知れば恐ろしい日本人の風習』に書き留めている。

 ▼いわく「神」や「社」の「示(しめすへん)」は、供えた生贄(いけにえ)の血が台座から滴るさまを表す。赤や朱は邪気を払う色とされ、血の色をした小豆も珍重された。いつか先祖供養と結びついたのが「彼岸にぼた餅」という。いわれを聞き、供え物に伸ばしかけた手を止めた方もおられよう。