産経抄

4月20日

 コロナ禍によって、100年前に世界中で大流行したスペイン風邪が改めて注目されてきた。日本国内だけで死者が45万人に上った新型肺炎に、当時の日本人がどのように立ち向かったのか。それが読み取れる貴重な資料の一つが、大正11(1922)年に内務省衛生局が発表した『流行性感冒』である。

 ▼先月には、ウイルス学が専門の西村秀一さんによる現代語訳が平凡社から刊行されて、読みやすくなった。「密集を避ける」「うがい、手洗い、マスクの奨励」。行政が国民に広めていた予防措置は、新型コロナ対策と共通している。さらに、ワクチンについての記述もある。全国の接種者は最終的に500万人を超えたという。