機密費を外交成果につなげよ 学習院大学学長・井上寿一

正論
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学習院大学学長・井上寿一氏

学習院大学学長・井上寿一氏

 ≪残存していた戦前の領収書≫

 平成26年から翌年にかけて、昭和戦前史に関する重要な史料集が刊行された。それは小山俊樹監修・編集・解説『近代機密費史料集成I 外交機密費編』全6巻+別巻(ゆまに書房)である。この史料集は史料的な価値が高いのにもかかわらず、社会的な注目を集めているとはいいがたい。

 他方で昭和戦前史に関する史料状況は整備が進んでいる。通説的な理解を根底から覆すような新史料の発見はほとんどない。この点に関連して、メディア(とくにテレビメディア)のスクープ報道は眉唾物である。疑った方がいい。