INF全廃破棄は米の身勝手か 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

正論
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防衛大学校名誉教授 佐瀬昌盛

防衛大学校名誉教授 佐瀬昌盛

 米国のトランプ大統領が10月20日、1987年12月にレーガン大統領と旧ソ連のゴルバチョフ共産党書記長との間で署名された中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄すると表明、世界を驚かせた。今後は中露に対抗し、INFの開発を積極的に進める方針という。

 ≪欧州は足並みの乱れが露呈≫

 同条約では射程500~5500キロメートルの地上発射型弾道ミサイルと地上発射型巡航ミサイルが中距離核と規定している。これらは米国に配備してもソ連には届かない。当時の宿敵・ソ連をたたくには前進配備が必要で、西側の最前線国である西ドイツを中心に射程1600キロメートルのパーシングIIが配備された。