ペンス演説の歴史的意味合い 拓殖大学総長・森本敏

正論
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APECで演説するペンス米副大統領=18日、パプアニューギニア・ポートモレスビー(AP)

APECで演説するペンス米副大統領=18日、パプアニューギニア・ポートモレスビー(AP)

 先の大戦後間もない1947年に、当時米国務省政策企画担当次官補になる予定のジョージ・ケナンが、「X」という名でフォーリン・アフェアーズ誌に投稿したのが有名な「ソ連の行動の淵源(えんげん)」という「X」論文である。ケナンはこの中でソ連共産主義の矛盾を抉(えぐ)り出し、西側諸国が一致団結してこれを封じ込めれば必ず崩壊すると予言した。トルーマン大統領がこれを「封じ込め戦略」の中に採用して対ソ戦略を進め、歴史はこの予言通りになった。

 ≪協調的対中政策からの決別≫

 その2年後の49年に中華人民共和国が誕生した。中国は全くの開発途上国であった。大戦中に対日戦略上、中国と協力関係にあった米国はその後、朝鮮戦争、ベトナム戦争で戦ったのに中国の野心を理解できていなかった。当時から中国はソ連や米国を抜き、世界の大国になろうという野心を持っていた。60年代にソ連がこれを見抜き、米国に忠告したが米国は全く耳を貸さなかった。中国はすでに軍事・経済面で世界第2位であるが、習近平氏は2049年に建国100年を迎えるまでに世界第1の大国になると宣言している。