プーチン氏は法を恣意的に操る 北海道大学名誉教授・木村汎

正論
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官僚との会合に出席したロシアのプーチン大統領=21日、ソチ(AP)

官僚との会合に出席したロシアのプーチン大統領=21日、ソチ(AP)

 「レニングラード(現サンクトペテルブルク)国立大学法学部出身」。ロシアのプーチン大統領はこの己の経歴を誇りに思い、しばしば自慢げに言及さえしている。しかしながら、氏は果たして法とは何かを正しく理解している法曹家といえるのだろうか。そのような疑問を抱かせるプーチン氏の恣意(しい)的な言動が目につく。

 ≪批准されていないものは無価値≫

 まずロシア大統領に就いた2000年の初訪日時の共同記者会見でのプーチン氏の発言に、筆者は驚かされた。「あなたの大統領就任によって、エリツィン前大統領と橋本龍太郎元首相間のクラスノヤルスク合意、すなわち『東京宣言にもとづき2000年までの平和条約締結に全力を尽くす』という約束は一体どうなるのか」