米中確執の太平洋に関与強めよ 東洋学園大学教授・櫻田淳

正論
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櫻田淳・東洋学園大学教授

櫻田淳・東洋学園大学教授

 パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際して、初めて首脳宣言が発出されなかった事態は、米中両国の確執の深さを世に知らしめた。ただし、筆者に強い印象を与えたのは、パプアニューギニアを含む太平洋島嶼(とうしょ)諸国が米中確執の舞台になっている現状であった。

自由な国々を後退させるな

 マイク・ペンス米国副大統領は、「インド太平洋に独裁主義や侵略の居場所はない」と語ったけれども、この発言にこそ米国の対「インド・太平洋」関与の論理が反映されている。