日本を問い直す村岡典嗣の復活 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

正論
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都留文科大学教授の新保祐司氏(瀧誠四郎撮影)

都留文科大学教授の新保祐司氏(瀧誠四郎撮影)

 11月に「ミネルヴァ日本評伝選」の一冊として、日本思想史学者の村岡典嗣(つねつぐ)の巻が出た。村岡は明治17年に生まれ、大正13年に東北帝国大学法文学部教授となり、日本思想史を講じた人物である。昭和21年4月、敗戦の混乱の中に61歳で没した。

 この、戦後長らく忘れられていた日本思想史学者を四半世紀ほど前の「村岡典嗣-学問の永遠の相の下に」という批評文でとりあげて、今日の復権の先鞭(せんべん)をつけた私としては、とてもうれしい。ようやく「評伝選」に入るまでに村岡典嗣が復活したからだ。