対露外交に国際秩序守る視点を 防衛大学校教授・神谷万丈

正論
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ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍首相=1日、ブエノスアイレス(共同)

ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍首相=1日、ブエノスアイレス(共同)

 この6年間の安倍晋三首相の「地球儀外交」の成果はめざましい。これまで、首相の外国訪問は71回、訪問先は78カ国・地域(のべ156カ国・地域)に及んでいる。世界が日本を見る目も違ってきた。ポスト小泉の数年間、日本は、「決められない政治」を揶揄(やゆ)され、国際社会での存在感が希薄になっていた。だが、今や世界は、安倍外交に注目している。

 ≪評価高まる首相の決然たる姿勢≫

 『タイム』誌は、2018年版「世界で最も影響力のある100人」に安倍首相を選んだ。最近ハーバード大学のナイ教授と話す機会があったが、以前は首相のナショナリスト的傾向に警戒感を示していた教授も、今では、安倍外交はトランプ時代の難しい国際情勢にクレバーに対処していると称賛を惜しまない。