「複眼」で十二月八日を振り返る 東京大学名誉教授・平川祐弘

正論
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第二次世界大戦で南西太平洋へ出かける前、愛用のパイプを口にするマッカーサー元帥=1945年9月

第二次世界大戦で南西太平洋へ出かける前、愛用のパイプを口にするマッカーサー元帥=1945年9月

 十二月八日は子供心に印象深い。日本が米英と西太平洋で交戦状態にはいったその日から戦争は「大東亜戦争」と呼ばれ、敗戦後は「太平洋戦争」となった。アメリカ側で the Pacific War とか War in the Pacific と呼ぶからだが、「大東亜戦争」といわせておくと、日本が大東亜解放のために戦った、という義戦の面が表に出る。それでは連合国側に都合が悪い。

 だがここで問いたい。第二次大戦で日本が戦ったのは「太平洋戦争」だけなのか、「大東亜戦争」の側面は皆無なのか。客観性を担保するためインドからも1941年以降の戦争を振り返ってみる。