「不安定な平和」は混乱の予兆か 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

正論・年頭にあたり
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杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏

杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏

 米中貿易戦争が激化して、竜虎相搏(う)つ事態が現出するかのような活字が目立つが、米国を正面の敵にしてはならぬとの中国の姿勢が一貫している間は、異常事態は起こらないと思う。

 それよりも、安全保障問題の良識派といわれるマティス国防長官が去ったあとのトランプ政権が「米国第一主義」を強めたときの国際情勢はどうなるのか。四面楚歌(そか)に置かれた中国の「対外譲歩」が国内世論にいかなる反映を及ぼすのか。今年の国際情勢には混乱以外の表現が見つからない。

 ≪政権内の歯止めがなくなった