年頭にあたり 日台関係の法的基礎を明示せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

正論
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中国の習近平国家主席の演説を受けて記者会見する台湾の蔡英文総統=2日、台北市内の総統府(総統府提供・共同)

中国の習近平国家主席の演説を受けて記者会見する台湾の蔡英文総統=2日、台北市内の総統府(総統府提供・共同)

 国家主権、安全保障、領土保全など、他国には譲れない重要な国家利益のことを中国では「核心的利益」という。これには、台湾、チベット、新疆ウイグル自治区、南シナ海、尖閣諸島などが含まれるが、核心の中の核心は台湾である。中国が国共内戦で唯一、取り逃がした地域が台湾だからである。中国にとって台湾統一は「祖国統一」問題である。それが実現される日まで中国が祖国統一の旗を降ろすことはない。

 ≪米国の意思を込めた台湾関係法

 国力と軍事力において圧倒的に優勢な中国が、なぜ台湾統一の挙に出ないのか。米国の「台湾関係法」の存在ゆえである。米国は1979年1月1日の米中国交樹立の直後、同年4月に米国の国内法として台湾関係法を議会で成立させ、同法を同年1月1日に遡及(そきゅう)して施行することにした。第4条A項はこうである。「外交関係と承認がなくても合衆国の法律の台湾への適用には影響力を及ぼさず、また合衆国の法律は1979年1月1日以前と同様に台湾に適用されなければならない」