≪日本人に目をつけた「砂糖王」≫
移民は、人手不足の国にあっては何時でも歓迎されるものである。歴史上移民が歓迎された事例は枚挙にいとまがない。
かつて存在したハワイ王国の主要産業は、サトウキビ栽培であった。アメリカ人農園主は本国の政治家に働きかけ、ハワイ産の蔗糖(しょとう)(原料糖)に特別な低関税措置を取らせることに成功した。ハワイのプランテーションオーナーにはゴールドラッシュ以来、急激な膨張を遂げているカリフォルニアから注文が殺到していた。サトウキビから蔗糖を生産するプロセスには大量の労働力を必要とした。彼らが目を付けたのが日本だった。