「空母」保有で防衛の意思を示せ ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー

正論
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南シナ海を航行中の護衛艦「いずも」=2017年6月、南シナ海(自衛隊ヘリから、松本健吾撮影)

南シナ海を航行中の護衛艦「いずも」=2017年6月、南シナ海(自衛隊ヘリから、松本健吾撮影)

 ≪自衛能力がなかった冷戦期

 1966年に私は横須賀を母港とする米海軍の駆逐艦に配属された。当時は冷戦の真っただ中であり、ソ連海軍の太平洋艦隊は多くが核兵器を搭載し、日本の太平洋シーレーンに打撃を与え得る100隻の潜水艦隊を築いていた。

 海上自衛隊は、無人対潜ヘリコプター(DASH)数機を買うことを決め、私の駆逐艦は2000トン以下の海上自衛隊駆逐艦にDASHを効果的に運用できるようなシステムづくりを支援するように言われた。もちろんその当時、海上自衛隊のDASHを搭載している艦船が空母であるとは誰も考えなかった。