正論

英語偏重教育は国益にかなわぬ 九州大学大学院准教授・施光恒

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 「一国の国語は、外に対しては、一民族たることを証し、内にしては、同胞一体なる公義感覚を固結せしむるものにて、即(すなわ)ち、国語の一統は、独立たる基礎にして、独立たる標識なり」。日本で初めて本格的な国語辞典『言海』を作った明治の文学者・大槻文彦は、こう国語の大切さを指摘した。

 大槻をはじめ明治の先人たちは、国づくりはまず言葉からと考え、近代的な日本語を作り上げた。文法を整え、正書法を定め、欧米諸語の多くの概念を翻訳し移入した。そのおかげで日本人は世界的に見れば豊かで安定した生活を享受することができた。