正論

韓国レーダー照射の真相は何か モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力

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防衛省が公開した韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦による火器管制レーダー照射の映像。能登半島沖(日本EEZ内)で海上自衛隊P-1哨戒機により撮影された=2018年12月20日、能登半島沖(防衛省提供)

防衛省が公開した韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦による火器管制レーダー照射の映像。能登半島沖(日本EEZ内)で海上自衛隊P-1哨戒機により撮影された=2018年12月20日、能登半島沖(防衛省提供)

 ≪関係悪化は安保、経済にも拡大

 日韓関係が心配でならない。私は平成24年8月、李明博大統領の竹島不法上陸以降、悪化していった日韓関係について、対立しているのは歴史認識と領土問題だけで、2国間関係の基礎ともいえる安全保障と経済関係は「最悪」とは言えないと主張してきた。その上で解決策として、歴史認識と領土問題で自国の主張に一方的に同調を求めることをやめ、「一致しない」ことを相互に認めれば、北朝鮮と中国の全体主義と対峙(たいじ)するという共通の利害の下、準同盟関係は維持できると言ってきた。

 しかし、ついに自衛隊機が韓国海軍の危険行為にさらされ、日本企業の財産が侵害され、関係悪化の局面が安保と経済にまで拡大してしまった。文在寅政権の親北政策はとどまることを知らず、韓米同盟の弱体化も進みつつある。