正論

皇位の安定的継承は男系が前提 国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授・百地章

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 今年4月30日で平成も終わり、5月1日には皇太子殿下が即位される。それとともに、退位特例法制定時の付帯決議に基づいて「皇位の安定的継承等」のための検討が始まるが、まず原則を明らかにしておく必要がある。よるべき基準は当然、「皇室の伝統」と「憲法」であり、以下に述べるように「男系重視」が前提とされなければならない。「男系か女系か」といった二者択一の問題ではない。

 ≪歴史の知恵と先人の英知に学べ

 皇統譜を見れば明らかなとおり、皇位は常に直系で継承されてきたわけではない。7代以上に亘(わた)って直系継承されたのは、初代神武天皇から第12代景行天皇、室町時代の第102代後花園天皇から第109代明正天皇、それに江戸末期の第119代光格天皇から第125代の今上天皇までの3度だけである。それ以外は兄弟間、叔父から甥(おい)、甥から叔父など、さらに直系が絶えたときは傍系に遡(さかのぼ)って皇位が継承されてきた。