正論

北の非合法ネットワークを断て 国連安保理専門家パネル元委員・古川勝久

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東シナ海での「瀬取り」が疑われる北朝鮮船籍のタンカー(左)と船籍不明の小型船舶=1月18日(防衛省提供)
東シナ海での「瀬取り」が疑われる北朝鮮船籍のタンカー(左)と船籍不明の小型船舶=1月18日(防衛省提供)

 ≪3億円相当の石炭を密輸

 2018年3月11日、米国の偵察衛星は北朝鮮の南浦港に停泊中の1隻の貨物船を捉えていた。北朝鮮籍の貨物船「ワイズ・オネスト号」である。衛星は、この船に国連禁輸品の石炭が積載される様子を克明に撮影していた。南浦港を出港した貨物船は黄海、東シナ海を南下、さらに台湾とフィリピンの東方を通過して、インドネシアのカリマンタン島の東方、マカッサル海峡近くの海域に入る。

 通常、船舶は航行中に安全のために「船舶自動識別装置」を用いて、船名や位置、目的地などの情報を電波で送信するが、この船は送信を遮断した上、航路を外れてインドネシアの海域に侵入するなど特異な行動をしていた。目的地も不明だった。4月初め、インドネシア当局はこの船を拿捕(だほ)する。