正論

保守思想を鍛錬して国柄を守れ 文芸評論家・小川榮太郎

Messenger
文芸評論家の小川榮太郎氏(飯田英男撮影)
文芸評論家の小川榮太郎氏(飯田英男撮影)

 平成は、保守大敗北の時代だつた。わが国の人口は、平成20年をピークに激減時代に突入した。有効な手は全く打たれてゐない。皇室は今や、天皇ご一家に殆(ほとん)ど収斂(しゅうれん)される状況に至つてゐる。日本の民族的な中核価値である男系男子の皇統持続についても、対処待つたなしの状況と断ぜざるを得ない。

 ≪文化防衛に無自覚だった戦後≫

 三島由紀夫の『文化防衛論』によるまでもなく、保守の要諦は文化の防衛にある。平成は文学暗黒時代だつた。昭和63年、山本健吉、中村光夫ら小林秀雄を巨魁(きょかい)とする大批評家が相次いで死去し、中村汀女、草野心平、大岡昇平らも逝き、昭和文学の栄光は改元とともに急速に消える。その後、遂(つい)に新たな文学史は勃興しなかつた。

 何故(なぜ)こんなことになつたのか。