正論

北の「ごまかし戦術」を侮るな 防衛大学校教授・神谷万丈

防衛大学校教授の神谷万丈氏(古厩正樹撮影)
防衛大学校教授の神谷万丈氏(古厩正樹撮影)

 今回の米朝首脳会談の前、多くの外交専門家は、内政で苦境に立つトランプ米大統領が、非核化交渉の成功を誇示するためにかなりの妥協をするのではないかと恐れていた。大統領がそれを思いとどまり、寧辺の核施設廃棄だけで大幅な制裁解除を引き出そうとした金正恩朝鮮労働党委員長の誘いに乗らなかったことは喜ばしい。

 ≪楽観論の広がりを危惧する≫

 だが、この事態に対する日本での反応には気になる点がある。トランプ在任中に米朝関係を劇的に改善したい金委員長は、会談の決裂に動揺し、対米譲歩に追い込まれていくだろう。そうした楽観論の広がりを、私は危惧している。