正論

御代替わりにあたり 「時の力」としての改元を寿ぐ 埼玉大学名誉教授・長谷川三千子

御殿山トラストシティーに並ぶ「令和」をはじめとした元号の提灯=1日、東京都品川区(桐山弘太撮影)
御殿山トラストシティーに並ぶ「令和」をはじめとした元号の提灯=1日、東京都品川区(桐山弘太撮影)

 ≪元号の意義を根本から考える

 本年3月21日付の朝日新聞朝刊に「『改元』を考える」と銘打った、なかなか野心的な社説が載っていました。世の中は「平成最後」だの「平成30年間」だのと騒いでいるが、「でも、ちょっと立ち止まって考えてみたい。『平成』といった元号による時の区切りに、どんな意味があるのだろうか。そもそも時とはいったい何なのか」-この社説はそう問いかけています。たしかに、元号というものの意義を根本から考えてみるのに、今はまたとない機会だと言えるでしょう。

 それにしても、これは野心的な問いかけです。「そもそも時とはいったい何なのか」-これを問われないうちは知っている(と思っている)が、問われると知らない(ことが明らかになってしまう)と中世の教父哲学者アウグスティヌスは告白しています。実際、これは今なお哲学者たちを悩ませている難問なのです。