正論

御代替わりにあたり 安倍内閣が仕残した3つの課題 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

昭和天皇が埋葬されている武蔵野陵を参拝された秋篠宮妃紀子さまと長男、悠仁さま=16日午後、東京都八王子市(代表撮影)
昭和天皇が埋葬されている武蔵野陵を参拝された秋篠宮妃紀子さまと長男、悠仁さま=16日午後、東京都八王子市(代表撮影)

 新元号が予想を超える好評を以て国民に迎へられ、新帝陛下の御治世を祝福してゐる観があるのは慶ばしい限りである。御在位中の御代替りといふ難しい事態を適切に処理しつつある安倍晋三首相の采配ぶりに先づは拍手を送るのに吝(やぶさ)かではない。それだけに、ここでこの内閣が平成時代に仕遂げておくべきであつたのに未成のままに残してしまつた課題の中から筆者の念裡に蟠(わだかま)る3項を選んで、その意味を考へてみる。

 ≪主権回復記念日の意義忘れず

 第一に、安倍内閣は平成25年4月28日に「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を政府主催の形で挙行し、会場には天皇・皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、聖寿万歳を奉唱してこの記念日の意義についての確たる認識を示してゐる。