正論

御代替わりにあたり 平成からの宿題にどう答えるか 大阪大学名誉教授・猪木武徳

ホテルなどで働きたいと希望する外国人を対象に実施された技能試験の会場=14日、東京・霞が関
ホテルなどで働きたいと希望する外国人を対象に実施された技能試験の会場=14日、東京・霞が関

 天皇の在位の期間を一つの時代として捉え、国の来し方行く末を考える機会とするのは、明治の「一世一元」以降の習わしであろうか。一般の暦にも1年ごとに元旦があり、「心の棚卸」の機会はある。しかし毎年一度というのはあまりに時平が短く、長期的に物事の流れを見通す機会とはならない。そのように考えると、新しい令和の時代の始まりにあたって、平成の時代が与えた「宿題」に対応するという重要な仕事があることに改めて気づく。

 ≪明確なルール作りが不可欠だ

 平成の時代には日本に戦争はなかった。しかしいくつもの大災害に見舞われた。地震、津波、豪雨、原子力発電所事故などによって受けた物的・精神的打撃から未(いま)だ回復できず、厳しい生活を強いられている人々が多く残されている。政府主導の復興対策については、その予算と支出内容だけでなく、「費用負担」をいかなる原則で国民の間で配分するかについて「復興特別所得税」を含め、今後十分検討されなければならない。