正論

文系の理論に普遍性などない 筑波大学名誉教授・古田博司

筑波大学大学院の古田博司教授
筑波大学大学院の古田博司教授

 40年間、社会科学という科学にならない科学をしてきて、私はイライラしすぎてタバコを毎日50本吸ったものだから肺がんになってしまった。でもタバコを吸っても肺がんにならない人は大勢いる。なにごともやりすぎると自然の方が止めにくるということが分かっただけである。食べ過ぎると肥満になるようなものだ。

 ≪先見しなければ「善」取れず≫

 その40年の過程で、私はある大きな発見をしてしまった。だがそれが世に広まると大変な事になるので、今日はこっそりと正論の読者だけにお教えしよう。それは福田恆存が60年も前に言っていたことだ。「社会科学が行う間違った予報は、社会の現象を変えることが出来る」(「進歩主義の自己欺瞞(ぎまん)」全集第5巻)という、一種の警告だった。