
令和の御代替りを迎へて初めての「終戦の詔書奉戴(ほうたい)記念日」が巡つてきた。この日を簡略に「終戦記念日」と呼ぶ慣例も行はれて久しいが、国際法上の真の終戦は昭和27年4月28日の対連合国平和条約の発効を以ての事なのだから、この簡略化は避けた方がよい。此の事は既に度々記した。
≪昭和天皇の詔書を読み返す≫
そこでこの記念日のなるべく妥当な性格付けを求めて、74年前に急遽(きゅうきょ)終戦を命じ給うた昭和天皇の詔書を改めて読み返してみると、あの一文に含まれた幾つかの重要な命題に再度注意を惹かれる。