正論

半島のシナリオ研究を進める時 平和安全保障研究所理事長・西原正

平和・安全保障研究所の西原正理事長
平和・安全保障研究所の西原正理事長

 ≪新たな亀裂の象徴的意味≫

 去る8月22日に韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))の破棄を決定し、日韓関係に新たな亀裂を加えた。米国とともに、両国が忍耐強い交渉の成果として、2016年に軍事情報を共有する「日韓準同盟」とも言える協定を結んだが、文在寅政権の思慮に欠ける誤断で11月には効力を失うことになる。

 協定が破棄となっても、日本は実質的にはそれほどの実害がないが、韓国の方が情報入手の点で大きな損失となるようだ。とはいえ、協定は日米韓連携の象徴的意味を持つ。北朝鮮の弾道ミサイル発射および着地状況の情報交換よりも、3国間の首脳、防衛相、外相レベルの意見の共有や発信がより重要であった。